2006年02月05日

けものみちだよ白夜行

「浪花節だよ人生は」そして「けものみちだよ 白夜行」というわけで、ついこの間まで「白夜行」を「北帰行」と間違えてた私ですが、ちゃんと文庫本買って、読みましたよ、「白夜行」!。それなのにまだしつこく、本屋で平積みの「白夜行」見ると「あ、ホッキコーだ」と思ってしまう自分がいます。お許しくだせー>直木賞の東野圭吾センセー。

ところで、「北帰行」って、もしかして「キタキコウ」って読むのでしょうか??湯桶読みになってしまいますから違いますよねー。ってのは例によって遠くにおいといて、読んでわかったんですが、「白夜行」って「けものみち」だったんですね!悪女モノって某所で読んで、ええっ、でもTVだと主役 綾瀬はるかと山田くんがやってんじゃ、と思ってたんですが、ほんとうに原作は、悪女モノだったのでした。しかも、後書きで、馳星州が「ほんまもんのノワールだ」なんて賛辞を捧げるほどのかなりすごい悪女モノ。日本の小説でこういうの久しぶりに読んだように思いました。

あ、TV版の方は2回目をちょっと見ただけなんで、原作通りなのかわかりません。でもさ、あの配役で、原作通りはまず無理なんじゃないの。それとも、大人(20代)になったら、配役が変わるのかなあ。それでも無理だよね。10代があの2人じゃ。趣旨変えて、根底にある少年少女時代の純愛を主役にもってきて、やむをえず悪に突っ走るしかなかったのや路線にするしかないんじゃ。。ま、そんな心配してもしかたないか。ドラマで原作の趣旨を完全変更しちゃうのってよくあることだものね。「野ブタ。をプロデュース」はすごすぎたと思うけど(^^;)

ところで、TVの方の「けものみち」って、松本清張の「けものみち」と「黒革の手帳」をコンバインさせたような作品なんだそうで、やはりこれも原作のけものみちとは随分違うらしいです。でも趣旨は変わってないというかすごい悪女モノって点では変わってないらしい。こっちは趣旨は変えてないけど、設定とストーリーを変えちゃってるわけね。まー、いろいろあらーな。

ここから先は例によってネタばれ無宿になってしまいます〜。

かまわない方はお入りください(^ ^)


そういえば、こないだなにげなくTVの「けものみち」を見たら、米倉涼子が、勝負スーツ着て、ブティックのオープニングで仁王立ちになっていました!いや〜、これってまさに「白夜行」のラスト・シーンじゃありませんか!!というわけで、何故「白夜行」が悪女モノの中でも「けものみち」なのか、自分でもわかりましたよ!あー、すっきりした。どっちも、元々は不幸な境遇の女主人公が、美女でナイスバデーでブティック開いてオープニング・パーチーで高笑い、だったからなんですね。

つか結局は、どちらも実働部隊つき悪女のサクセス・ストーリーなんですよね。悪くてきれいで頭のいい彼女には悪くて頭のいいパートナー(男)がついていて、陰になり日向になり、どーんどん協力しちゃうわけね。そして、いわばそういう実働部隊による「ズル」みたいなもの(というか、ぶっちゃけて言っちゃうと犯罪!)をフル活用して、周りをどんどん不幸にしつつのし上がっていった女が、なんらかの高級ブティックを何軒も開いて、女王として君臨するようになって。。。って成功の図式もまたそっくり!

特に、今回読んだ「白夜行」の方は、なんと十代の頃から、その男が、捨て石になるべき人材をどんどん集めて、女王の為に次々に活用して彼女のジンセーの勝利の為に貢献し続けてくれちゃうわけで、もう鬼に金棒。この2人は最強のカップルなわけです。しかし、彼女にとって「真っ暗闇の人生を照らす白夜のほの白い明かり」だったこの男が死んじまって突然彼女の人生から奪い去られるとこで「白夜行」は終わってしまうとですよ。トホホ。この幕切れもなかなか見事で、ほんと、よくできた小説でした。

しかし、とにかく、この2人、十代の頃からやることなすことかなりエグイです。他人の弱みをつかんでそこから相手の心を力ずくで自分に引き寄せる。その為には手段を選ばないっつーか、その弱みを作る為に手の込んだ仕掛けまでする。それは年齢を重ねるにつれてますます巧妙に、あくどくなってって、そのテクニックたるやもうほとんどアートであります。なんつか、この後、この2人が2人の仕業に気付いた元刑事と、彼女が誘惑しそこねた男の2人をどう始末するか、かなり楽しみだったのですが、そこで終わってしまいました〜(^◇^)

というわけで、相方を失ったこの美女(まだ確か29歳)がこのまま沈んでしまうようなタマとは思えませんので、次に誰を相方にするのか、それともこれからは単なる捨て石を適宜調達していくのか等々いろ〜んな楽しみ方もとい余韻を残して、「白夜行」は終わったのでした。

しかし、TVドラマの「黒革の手帳」が「けものみち」としてフッカツしたように、「白夜行」も続きとか書かれないんでしょうか。終わり方がここまでクールできれいだと、続きはやめた方がいいのかなあ。それにしても、TVドラマの「白夜行」の方は、あくまで秘められた恋を基調にした情緒過多の切ないドラマとして仕上げるつもりなのかなあ。だとしたら、ただひとこと、大変だね〜としか言いようがありません。がんばってください。そうそう、原作のイメージから言ったら、このドラマの主役(大人になってから)は、高木美保とか合ってるような感じがします。実はものすごく根性すわってるし。どうでしょうか?
posted by miquage at 23:47| Comment(4) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
4話になり、山田さん演じる亮司も綾瀬さん演じる雪穂もカナリ黒くダークになってきて面白くなってきましたよ。
Posted by 白夜行 at 2006年02月07日 16:19
そうなんですか?
どんなダークぶりっこなのかなあ。
でも、今週、最後の方ちらっと見たら、雪穂ちゃん、しおらしくしくしく泣いてましたよ〜。
原作とはまた違うダークさなんでしょうね。
Posted by miquage at 2006年02月12日 19:41
ブロンドには反応できず、こっちでごめんよ。
東野先生って、玄人女性としか付き合ったことないのかな?
「ただ健気に生きている」はずの「容疑者Xの献身」の女性だって
「いやだんな、純情そうな顔に騙されちゃいけませんぜ」って感じになってるのは、意図したもの??
いっそ悪女に書けばいいのに、どうにも作者の女性観が屈折してそうに思われ。
Posted by 美也子 at 2006年02月27日 10:19
こないだの週刊文春の東野さんインタ読みました?
それによると、もう随分たつのに離婚の傷が癒えてないご様子。
それでじゃないでしょうか。女性の心理に踏み込まず、外側から描くって手法に固執しているのは。
自分では、男の自分が女性心理を描くと、絶対どこかでリアリティに欠けるからって言ってましたが、どこか臆病になってる感じがしました。

で、こういう書き方が成功したのが白夜行で、中途はんぱで未完成な作品になってしまったのが容疑者Xなんじゃ?(こっちは読んでないんでわからないんですが)
Posted by miquage at 2006年02月28日 01:34
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